上原先生のブログの雑感

京都大の上原先生のブログに創意工夫とずるに関するおもしろいやりとりがあった。
(URL:http://d.hatena.ne.jp/tetsutalow/20090223)
ここからのやりとりを読んで、こんなことを思った。
 活用するよ、とか「いい意味でのずる」をすることは、創意工夫につながることになると思う。ただし、そこでは、「ツールなりあるものは活用するけれど、自分の最終的にやりたいことができないとわかったら、ツールに手をいれることもいとわない」という思いをもつことが必要かもしれない。そして、そこでは、「道具は利用するが、解決の主体、責任の主体は自分」という思想が(もしかしたら)あるかもしれない。そして、その思想においては、対人関係については「他人にも手伝ってもらうことはあるが、他人は尊重する」という思想があるかもしれない。
 一方の「悪い意味でのずる」はある意味、「自分の目的を達するために手段をえらばない」ということなのかもしれない。そこでは、「人に犠牲をしいる」「人をめざとく利用する」ということが一番求められるし、それが最も効率のいい「目的達成の方法」になる。そして踏み台にされた人は不幸になり、人を目ざとく利用した人が得をする。その「他人を利用する」を極限まで先鋭化させ、そして「儲け原理主義」を先鋭化、結晶化させたものが、たとえば「振り込め詐欺」になるだろう。(ちなみに、「不安の解消」の代金としてお金を出させるという商売は、すなわち宗教(特に新興宗教)の商売そのものだと思っている)
 今の社会は、間違いなく「悪い意味でのずる」をしたものに有利な社会であり、「真面目は悪」になるのだと思う。そして、子供が「真面目すぎる」のは「悪い意味でのずる」も「いい意味でのずる」も知らないためだと思う。そして、はやく「悪い意味でのずる」を身につけたものが、社会の中でいち早くのびる(ようにみえる)のではないかと思う。